パリ各区ごとのシンボル、雰囲気、イメージ

A PROPOS DE PARIS

パリについてメモします。


LES ARRONDISSEMENTS DE PARIS

パリの区(アロンディスマン)のシンボル、特徴、雰囲気

手作りパリ図

Le 1er arrondissement

目印・・・ヴァンドーム広場、チュイルリー庭園、ルーヴル美術館、オランジュリー美術館、パレ・ロワイヤル、フォロム・デ・アール、ポン・ヌフ、裁判所、シテ島(西)、オペラ通り(南)

パリのど真ん中。免税店や美術館があるので観光客が多く、きらびやかで、実は最も犯罪率が高い商業区。L'EXPRESS誌の「2001年住みやすい区ランキング」1位でした。RUE SAINT HONORE(サントノレ通り)などのきれいなブティック街、美術館、チュルリー庭園、パレロワイヤルの緑…気持ちいいのは確かです。
パリ最大級のショッピングセンターFORUM DES HALLESはとても便利。H&MやZARA、KOOKAIをはじめとする服屋、雑貨屋などが沢山並んでいて、いつも若い人でにぎわっています。複合映画館(シネマコンプレックス)、大きなFNAC(本、CD、DVD、家電などを扱う量販店)、DARTY(大手家電店)、HABITAT(インテリアショップ)、郵便局、PAUL(チェーン店のパン屋)、可愛いお菓子がいっぱいのキャンディーショップ、プール(水泳の方)など、ありとあらゆるものが揃っています。私のお気に入りのFORUM DES IMAGES(旧名ビデオテーク・ド・パリ。映画館とビデオテークとインターネットが利用できる)も、このフォロムデアール内にあります。フォロム周辺には、商店街、レストラン、ショップ、ジャズクラブなどがひしめいています。北側のRUE MONTORGUEILには、エスカルゴのレストランや、スウェーデン人の友達が教えてくれた北欧サンドイッチ店や、チーズ屋などが軒を連ねる活気のある商店街です。RUE DES LOMBARDSにはライヴをやるジャズクラブがいくつかあります。昼間からちょっぴりあやしい雰囲気の道(RUE ST-DENISなど)も…。

Le 2e arrondissement

目印・・・オペラ通り(北)、証券取引所、国立図書館、日本関係の企業・店

西側のオペラ座付近を日本人街と呼ぶ人もいるほど、日本人や日本語入りの看板を多く見かけます。日系のレストラン、食品店、本屋、サイバーカフェ、企業・学校、日本人向けのサービスを行う両替商など、パリに住む日本人も何かとお世話になる地域です。さらに、AVENUE DE L'OPERA(オペラ通り)は免税店なども多く旅行者に人気ですから、このあたりに日本人が多いのは当然な気がします。
私は治安が悪いゾーンに入ると鳥肌が立つのですが、2区の東北部にもちょっとした鳥肌ゾーンがあります。

Le 3e arrondissement

目印・・・国立工芸院、ピカソ美術館、カルナヴァレ美術館、国立古文書館

マレ地区とつながる古い建物は情緒がありますが、この辺で家を探したら、窓が小さく日当たりが悪く狭いのに家賃が高いという代物が結構多かった記憶があります。(もちろん予算が低かったせいもあります。)この区は、住民1人あたりのスーパーマーケット数が最も少ないそうです。生活必需品はスーパーでまとめ買いしたいという人にとっては厄介ですね。マレの延長でBRANCHÉ(最先端のカッコいい)地域になりつつあるとはいえ、実用面では努力がいりそうです。
そのかわり美術館・画廊の数はパリで一番です。また、中国系、アフリカ系などいろいろなコミュニティーが共存しているそうで、ユダヤ・レストランや食料品店が多く、黒いスーツに帽子姿のユダヤ人男性をよく見かけます。

Le 4e arrondissement

目印・・・パリ市庁舎、ノートル・ダム寺院、ヴォージュ広場、サン・ルイ島、シテ島(東)、コンシェルジュ

ポンピドゥーセンターの別名BEAUBOURGに因んで、その界隈(ポンピドゥーセンターからシャトレあたり)はボブールと呼ばれています。MARAIS(マレ地区)には、いかにもパリらしさを感じる古い街並が残っていますが、同性愛者やアーティストなどが多い流行最先端の地区でもあり、男性同士のカップルやゲイのシンボルであるレインボー旗をかかげる店もよく見かけます。東京にあるような可愛い雑貨屋、画廊、カフェなど面白いものが沢山ありますが、物価は高めです。3区に次いでスーパーが少ない区です。

Le 5e arrondissement

目印・・・パリ第3~第6大学(ソルボンヌ他)、クリュニー美術館、パンテオン、植物園、モスク

学生が多いカルティエ・ラタン。学生御用達の便利なGibert Joseph(安くて種類豊富な文具屋と、本屋、CD屋)や、古本屋、個性的な映画館、服屋などがあります。セーヌ川寄りにはギリシア・トルコなどの異国情緒漂う料理店街があり、あちこちで店員が客引きをしています。(ノートルダム寺院から流れてくる観光客が目当てでしょうか。)入場料が安くて活気があるジャズのライヴハウスもいくつかあり、街の雰囲気も好きなので、私もこのあたりにはよく来ますが、5区でちゃんと食べるなら、安くて美味しいレストランが集まっているRue Mouffetard(ムフタール通り)まで行った方がいいかもしれません。この辺にステュディオがあったらいいなぁと思いますが、人気があって地価も高いので、条件のあう部屋を探すのは大変です。

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Le 6e arrondissement

目印・・・リュクサンブール公園、オデオン座、サンジェルマン・デ・プレ教会

セーヌ川も大きな公園もあり、サンジェルマンデプレ界隈もあり、庶民的な食料品の店も、モードの店も個性的なミニシアターも充実している文句なしの地域です。個人的には一番住んでみたい区ですが、5区と同じく地価が高めで物件も見つけにくいのが現状です。

Le 7e arrondissement

目印・・・エッフェル塔、アンヴァリッド、旧陸軍士官学校、ロダン美術館、オルセー美術館

美術館、エッフェル塔やセーヌ川の乗船場などの観光スポットにはいつも人がいます。官公庁の建物が多く、住人の所得の高さがパリで一番というだけあって、きれいな建物が多い印象が強い地域です。アンヴァリッド付近は広々していて気持ちいいし、エッフェルの前のシャン・ド・マルスやロダン美術館の庭など緑の中でくつろげる場所もあって、快適です。

Le 8e arrondissement

目印・・・凱旋門、シャンゼリゼ大通り、エリゼ宮、グラン・パレ、プティ・パレ、コンコルド広場、マドレーヌ寺院

かの有名なシャンゼリゼに代表されるゴージャスな地域です。シャンゼリゼには、FNACとVIRGIN(CD・チケット・本)や、深夜まで開いているMONO PRIX(スーパー)や24時間営業の薬局などがあり、いざという時に便利です。オペラ座周辺同様、観光客ズレしていて感じの悪いレストランも結構あります。

Le 9e arrondissement

目印・・・オペラ座、デパート郡(ギャルリー・ラファイエット、プランタンなど)、ギュスターヴ・モロー美術館、ピガール広場

2区から続くオペラ座付近には、日本語のメニューを置く飲食店も多いようです。プランタン、ギャルリーラファイエットなどのデパートをはじめ、店が集まっているので買物に便利です。サン・ジョルジュ教会のあたりは店も多く、情緒があって住みやすそうです。北に進むと下町色が濃くなっていき、ピガールあたりまでいくと、下町というよりはネオンが眩しい繁華街になります。

Le 10e arrondissement

目印・・・北駅、東駅、LE NEW MORNING(ジャズクラブ)、BACCARATクリスタル美術館

北駅・東駅の周辺には、夜通るといつのまにか駆け足になってしまう鳥肌ゾーンがかなりあります。実際、旅行者狙いの犯罪も多いらしく、盗難に遭って困っている日本人に会ったこともあります。パリの中で2番目に人口密度が高いそうです。

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Le 11e arrondissement

目印・・・バスティーユ広場、カナル・サンマルタン

居住人口密度の高さはパリで一番だそうです。REPUBLIQUEやOBERKAMPFのあたりには、マレ地区の延長のようなBRANCHÉな(最先端の)店やクラブが急増し、注目を集めています。

Le 12e arrondissement

目印・・・オペラ・バスティーユ、リヨン駅

L'EXPRESS誌の2001年ランキングで、住宅面(値段、広さ、設備など)に関して一番住みやすい区だとされていました。確かに、東にはヴァンセンヌの森があり、公園の数も多く、カナルやセーヌ川まであるので、自然には恵まれていますね。ヴァンセンヌの森寄りの地域はがらんとしていて寂しいイメージがなきにしもあらず...ですが。LEDRU ROLLINのマルシェ(市場)は、規模が大きくて安いのでおすすめです。市場の日には、おいしいオーガニックのパン屋さんMOISANに行列ができます。
フランスの南の方へは、この区にあるリヨン駅から行きます。

Le 13e arrondissement

目印・・・ミッテラン国立図書館、チャイナタウン、オーステルリッツ駅

通っている電車やバスの密度がパリ市内で一番低いそうです。中華街と図書館のイメージが強く、美術館はほとんどありませんが、アート関係者が多く住む区だといいます。工事現場や工場をよく見かけますが、家やオフィスなども増えつつあり、これからどんどん変わっていくことが予想されます。PLACE D'ITALYのあたりは、夜になるといかがわしい雰囲気が漂う場所もあります。

Le 14e arrondissement

目印・・・モンパルナス墓地、カタコンブ、モンパルナス・タワー、シテ・ユニヴェルシテール、ヴァンヴ蚤の市

モンパルナス・タワーと墓地周辺は観光・商業地ですが、大部分は静かな住宅街です。日本の団地にそっくりな建物もあって、休日の公園には子供連れの家族がたくさんいます。統計ではパリの区の中で2番目に治安がいいそうです。タワー隣のギャルリー・ラファイエットはオペラ店に比べて物が少ないですが、道を渡って6区のRENNES通りや、そのまま歩いてサンジェルマンまで行けばショッピングには困りません。スーパーや活気のある商店街が多く、住むには便利です。ALESIA通りには服などの問屋が多く、GAITE通りにはテアトルや妖艶なネオンの光る店が並びます(が、怪しさ度は低いです)。ヴァンヴ蚤の市やモンスーリ公園は休日を過ごすのにぴったりです。カタコンブは、18世紀にパリ市内の共同墓地の無縁仏を納骨した地下墓地です。無数の骨が並べられてできた通路の両壁は、オブジェ感覚でアーティスティックに配置された頭蓋骨でできています。どこからかポタポタと水がしたたるような音が聞こえてくるし…かなり印象的な場所です。この別世界を抜けて地上に出ると、そこはいきなり、何の変哲もない、しらっと明るい住宅街。カタコンブ出口を振り返ってみると普通の家の扉にしか見えません。死の世界とは、まさにこの扉1枚隔てた身近な世界、というわけですね。地下墓地ということは、その上に建っているアパートもあるわけです。墓地の前の部屋は日本だと家賃が安くなりますが、フランス人の友達は「誰も気にしてないと思うよ。死者に支えられてるみたいで心強いじゃない」と言っていました。なるほど。

Le 15e arrondissement

目印・・・ブールデル美術館、パスツール研究所、ブラッサンス公園、アンドレ・シトロエン公園

パリで一番犯罪率が低い区だそうです。公園以外にはこれといって人が集まる場所がなく、大部分はほのぼのとした住宅街です。シトロエン公園の中には、妙にトロピカルな小さな植物園があります。暑い日には、「噴水の中に入るな」という看板に目もくれず、バシャバシャ水浴びをする人々の姿が見うけられます。ジョルジュ・ブラッサンス公園では週末に古本市が開催されます。

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Le 16e arrondissement

目印・・・凱旋門、シャイヨー宮、パレ・ド・トーキョー(近代美術館)、ギメ美術館、マルモッタン美術館、ラジオ・フランス

凱旋門、シャイヨー宮などの美しい建物と高級住宅街のイメージが強く、日本人駐在員も多く住むといわれる区。北に凱旋門、西にブローニュの森、東にセーヌ川があり、街並は優雅です。実際、住民の所得は7区に次いで2番目に高く、車所有数の平均が高いという統計がありますが、そのせいもあってか電車の便はあまりよくない気が…。

Le 17e arrondissement

目印・・・凱旋門

サン・ラザール駅から北西にのびる線路を境に、雰囲気もだいたい東西に分かれます。西側は凱旋門の延長の優雅な建物が多く、東側に行くほど殺風景な建物が目につき始めます。東側は労働者が多い地域のようです。そのあたりにあるステュディオ(アパート)を見に行った帰りにパリ中心方面に向かう13番線に乗ろうとしたら、他の線はあまり混まないような時間帯だったのに作業着を来た人がぎっしり詰まっていました。試しに何本かやり過ごして様子を見ましたが、来る電車来る電車がどれも満員で少し驚きました。郊外から来る人が多いんでしょうか。

Le 18e arrondissement

目印・・・サクレ・クール寺院、ダリ美術館、ムーラン・ルージュ、モンマルトル墓地、クリニャンクール蚤の市

パリで3番目に居住人口密度が高い区。19世紀のアーティストの家がいくつもあります。モンマルトルの丘は観光客が多いですが、周辺は散歩にもってこいの情緒ある街並です。サクレ・クールが見えるとその分家賃が高くなるんだそうで、そういうアパルトマンに住んでいた知人は「拝観料を払っているようなもんだよ」と言っていました。PIGALLE(ピガール)界隈はパリの新宿歌舞伎町というイメージです。ネオンが光るあやしげな店が立ちならんでいます。夜、PLACE DE CLICHY駅からピガールを通って3駅先のANVERSまで歩いたら、結構緊張しました。
BARBES ROCHECHOUARTにはTATIなどの格安店がありますが、店も街並も雑然としていて少し物騒な感じがします。日本の雑誌で「TATIは安くておしゃれ」という記事を見たことがありますが、パリでは安売店のイメージが強く、アジア製のものもあります。安くて「おしゃれ」な服が欲しければ、H&M、Promod、Kookai、Zara、Pinky、Mangoなどの店に行った方が確実です。クリニャンクール蚤の市は旅行者が多く、観光地につきもののコソ泥もよく見かけます。
このあたりを舞台にした映画「アメリ」がフランス国内外で大ヒットしてからは、寺院だけでなく街にも観光客が増えたようです。

Le 19e arrondissement

目印・・・ヴィレット公園、ビュット・ショーモン公園

一人あたりの平均部屋数がパリで最も少ない区(狭いアパートに大勢で暮らしている家庭も少なくありません)。他の東北地区と同じく、有色人種の割合が高いようです。ユダヤ教会付近にはユダヤ・レストランや食料品店があります。ヴィレットのような現代的な施設もありますが、マクドナルドのようなチェーン店ですらいろんなものが汚れていて、街中落書きがあふれている、「いかにもパリらしい」場所が多いです。ビュット・ショーモン公園は、リュクサンブール公園などとは違い、のんびりくつろげる雰囲気じゃありません。中近東のお菓子の店などもあって、たまに遊びに行くには面白いんですが...個人的にはあまり住みたくない地域です。

Le 20e arrondissement

目印・・・ペール・ラシェーズ墓地、モントルイユ蚤の市、ベルヴィル公園

店、病院、文化施設の密度がパリで最も低い区です。
「ベル・ヴィル公園付近の路地なんかには危ない所がいっぱいあるよ」とそのあたりに住むフランス人に教えられたことがあります。「美しい街」という名に似合わず、住民でも怖くて通れない場所があるようです。20区で私が行くのは、墓地と蚤の市くらいです。墓地は緑が多くて落ち着きます。モントルイユ蚤の市は、骨董よりも日用品(とガラクタ)が中心です。派手な色使いの布地や古本や、本当に蚤が出てきてもおかしくないような古着も売っています。アフリカ方面の出身者が出している店も多く、いろいろな言語が飛び交っています。イスラム教の女性が頭にかぶる長いスカーフなどもあり、エキゾチックな雰囲気が味わえます。

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IMAGE DE PARIS

パリのイメージ

パリ=モード、アート、グルメの都、洗練された「おしゃれ」な街で、パリジャン・パリジェンヌもやはり「おしゃれ」。こんなイメージが日本では浸透しています。
雑誌では「パリは果物屋さんまでおしゃれ!店のムッシュもさりげなくおしゃれ!」なんて文を見かけますし、フランスでは場末の定食屋でも使われている実用的な食器デュラレクスも、日本では「おしゃれ」雑貨にランクアップしています。
もちろんそんな「おしゃれ」だらけの国が存在するわけありません。この「日本製のパリのイメージ」は、もちろん美化された理想郷です。

シャンゼリゼ、サン・ジェルマン・デ・プレ、マレや美術館界隈は確かにきれいですが、そういう地域でも、歩道は犬のフンだらけですし、住人にしても、靴の裏についたフンをアパートの玄関でなすり落としたり、人の悪口を言ったり、野菜の値段をシビアに比較したり、あらゆるものを批評したりしながら暮らしています。ましてパリの東北部などでは、ワンルームに一家4,5人で住み、シャワーも洗濯も稀、食べるだけで精一杯という家族もざらです。SDF(エスデーエフ、浮浪者)も多く、そんな「パリ住人」に、ファーストフードで食事中に金をねだられたりするのも日常茶飯事。「子供にハンバーガーを買ってやりたいのでお金ちょうだい」という頼み方は、まだ素直でいい方です。
「情緒のある古い建物」にしても、住むには現実的な問題があったりします。隙間風が入ってきたり、暖房の性能が悪くやたら寒かったり、水を流すと下の階全部にすごい音が響くので夜トイレに行けなかったり...。そんな不便も情緒の一部と考えるかどうかは好みの問題ですね。「あばたもえくぼ」で、「パリだから許せる」と受け容れられればいいんでしょうが…。恋人にたとえるなら、恋人に対して最初抱いていた憧れイメージを、結婚後も保てるかどうか、ってところでしょう。現実的な嫌な面を知ってしまっても、憧れを持ち続けられれば、楽しくていいだろうなぁと思います。

あまりに欧米礼讃的な記事などが多いので、「欧米を美化しておけば、アルファベットを使っただけで”おしゃれ”なものが作れるんだから便利なんだろうな。パリ、ロンドン、NYをサブタイトルにいれて、いかにもな現地写真と記事をのせれば雑誌も売れるんだろうし。…私はだまされないよ。」と警戒していた時期もありました。
が、そのうち、この「日本製の幻想」のおかげで幸せ気分になっている人も多いんだから、いいものなんでは?と思うようになりました。
メディアの作り物でも、商業作戦でも、楽しい気分にさせてくれるのなら化かされたままでいいんじゃないかと思いなしたのです。タヌキに化かされて泥団子を食べさせられても、ご馳走だと思い込んでいる限りは嬉しいですよね。オードリー・ヘップバーンの『パリの恋人』等のパリシリーズも、観光局の回し者じゃないかというくらいパリを美化・礼讃していますし、見るだけで幸せな気分になる映画『アメリ』は、「嘘も方便」、素敵な思い込みは大切だと教えてくれる映画でした。
結婚記念日をフランス料理とシャンパーニュでお祝いする夫婦。思いきり着飾って楽しそうにアールヌーヴォー展を見にいくマダム。フランス映画を見た後、AGNES B.でショッピングをし、「パリっぽい」服を着てフレンチカフェでくつろぐマドモワゼル。「おしゃれな」フランスのイメージに浸って、みんな幸せそうです。

あいにく私がそのことに気づいたのは、フランスに対する幻想の泡がはじけて消えてしまった後でした。
夫婦が長年一緒に暮らすうちに慣れすぎてしまい、結婚前相手に抱いていた気持ちを忘れてしまうという現象が、街相手に起きてしまったのです。旅行で来た時は宝だらけに思えたパリの街も、住んでみると憧れフィルターが消えうせて、観光らしいことをしようという興味もなくなってしまいました。
(ルーヴルに行ったことがないパリ住人の率が高いのも、皇居の中や東京タワーや国会図書館に行ったことがない東京住民の率を考えれば、不思議じゃありませんよね。)
いや~!でも、もう一度恋人だった頃の気分を取り戻したい。
幻想がなくなった代わりに親しみや安心感が湧いていたりするんでしょうが、ドキドキするような憧れ感覚を忘れてしまうのは、悲しいことです。最初の頃の憧れ気分は、いったん失うとなかなか思い出せませんが、距離や時間を隔てて冷却期間を置けば戻ってくるかもしれません。
何せフランスにいる間、日本に対して(郷愁とは違う)憧れのような気持ちが湧いてきたほどですから。
日本でアルファベットを装飾に使うのと同じで、フランスでは漢字(日本・中国語)が入ったものや、"ZEN"っぽい雑貨が売られています。フランスの街並とアルファベットに囲まれていると、漢字や寺などの日本的なものが、男性的でCOOLに思えてくるし、電線だらけでネオンがギラつく日本の街並や日用品までがアジア的な力強さを持っているように見えてきます。遠くから眺めると良く見えてくるものですね…「隣の芝生は青い」です。ヨーロッパへの素敵な幻想混じりの憧れもそのうち戻ってくるかな?

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